機織渕の滝(はたおりぶちのたき)は、静岡県浜松市でも山間部に位置する佐久間町にある滝で、一般的な山の中にある小川に繋がるただの滝ではなく、戦国時代の悲しい民話が今でも語り継がれている歴史的なスポット。その内容を知ってから行くのと知らずに行くのでは、滝の見方が180度違ってきます。
機織り渕の悲しい民話昔ばなし
戦国時代のこと、武田対徳川織田の「長篠の戦い」で敗れた武田勢の侍「肥田孫兵衛(ひだまごべえ)」が傷だらけの状態でこの地にたどりつき、お銀父娘のお世話になりました。元気な体になったところで武士をやめてこの里で百姓をやること決めていたある日、落ち武者狩りが来て再び武士に戻されてしまいます。愛していた孫兵衛がこの地を後にしたお銀は、自分で織った結婚の晴れ着を抱いて滝つぼに身を投げたその後、滝つぼに向かって尺八を吹く男がいつまでも悲しげに吹いていたという内容。
民話や昔ばなしと言うと、結構作ったような話がある中、この機織り渕の悲しい娘の話は場所的にもガチ度数が高い印象!戦国時代の信州の武田勢は奥三河浜松方面に攻めに行った時に秋葉街道を通っていたことから、破れた帰りにここを通ったのは何ら違和感もなく、戦国時代から現在に変わっても語り継がれている民話のある滝は何ともいえない風景をかもしだしています。
記事では行き方から滝の風景ロケーションまで詳しく解説してみるので、訪れる際は参考にしてみてください。
機織渕の滝の場所詳細
場所 | 静岡県浜松市天竜区佐久間町佐久間 |
駐車場 | 県道290号沿いスペース |
その他 | トイレなし
運動靴必須 夏は虫除けスプレー対策 |
機織渕の滝の場所は、天竜区佐久間町の山間地帯で、マップのポイント位置は車がとめれるスペースを表示。アクセスは佐久間町の街中メイン道路の国道473号から山道に繋がる県道290号を約15分くらい進むと道沿いにスペースがあり、道中の道は車線がない為、前方を常に意識した運転と速度に注意が必要です。
県道290号の道中にある龍王権現の滝から約5分の距離!
【県道290号道中】
山間部の県道は街中と違い車線がない完全な山道、カーブでは対向車確認のミラーがかなり役に立ちます。イニシャルD絶対ダメッ!な道。
【スペースはごく一部】
機織り渕の看板が目印の290号沿いに車がとめれそうなスペース、ここは上に繋がる住民の道路になっている為、くれぐれも封鎖しないよう注意。
スペース対面の看板付近から散策路が滝まで繋がっていて、時間は約10分の距離。
機織渕の滝の様子
滝までの散策路は行きは降り、帰りは登りのルート。龍王権現の滝もそうでしたが、回りは自然音だけの世界!山間部でもあまり人の手が入っていない場所。
川沿いまで降りると驚くのが滝の高さで、幅はそこまでないものの、絶壁の為からか水の流れが早く、機織渕の滝の特徴でもある2段タイプ。高さ約30mの滝は少し小高くなっている場所からでしか滝全体を撮ることができなく、いくらアイフォンの超広角でも下からでは2段を撮れませんでした。
縦に撮っても2段は無理!谷から直接水が落ちている光景は迫力がかなりあり、ロケーション的には岸壁がメインな場所につき、他の滝とはちょっと違う風景を見ることができます。
川沿いの休憩スペースには民話の看板とベンチ完備。通常ならマイナスイオンなどの癒しスポットですが、昔ばなしを読みながら滝を見ると、不思議とどこか悲しげな滝に見える体感。もし民話がなかったらマイナスイオン全開の迫力ある滝で終わっていたことを考えると、お銀のいい伝えは戦国時代の状況を伝える文献的な要素を含んでいるようにも見えます。
ちなみに帰りの散策路は結構きつい登り、距離はたいしたことないのにジワジワ足に来るタイプで、スタート地点の看板道路に出ると汗をかくほどでした。
機織渕の滝に行った感想まとめ
今回は戦国時代の武田勢の侍とこの地に住んでいた娘の言い伝えがある機織渕の滝に訪れてみましたが、ここはマイナスイオンを浴びる癒しスポットというよりもちょっとした歴史スポットという感覚で、グーグルマップの口コミも他の山間部の滝と比べると少ない事から意外と穴場的な場所かもしれません。滝としての見ごたえは、高さがあるので幅がなくても充分な体感、とにかく自然豊かな場所だけに目を閉じて自然音だけを聞くのも過ごし方の1つです。
戦国時代から現在に時を超えた機織渕の滝!
オススメ度 ★★★★☆
オレ的オススメ度数は民話と滝のコラボスポットなことから、この評価となっていて、他の滝とはちょっと違う雰囲気を出しているのもここならでは!奥三河から佐久間町はアクセスもしやすい為、山間部の観光スポット巡りで訪れる際にちょっと寄ってみてはどうでしょうか。